ペンキが剥がれる?!家具などに使われるツルツルした表面のプリント合板を塗装する際に必ずやってほしいヤスリ掛けについて!~塗装するときの注意点~
パジョリスでは、お客様から「ツルツルした板または光沢のある板の上から、そのままペンキで塗装できますか?」とご質問をいただきます。
ご質問にある「ツルツルした板や光沢のある板」が、どのような板なのか確認するとプリント合板のことだということが分かりました。
プリント合板の塗装は、注意が必要でして塗装前に必ずサンドペーパーでヤスリ掛けをしないと塗料が密着せずに剥がれてしまいます。今回、塗装前のヤスリ掛けの重要性と密着性に関する比較を行いました。記事の後半では、プリント合板の塗装方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
プリント合板ってどんなもの?
そもそもプリント合板は、どのような板なのかと言いますと木材を合わせて作った合板で、合板の表面には木目調などデザインされた模様を印刷加工したシートを貼り合わせている製品です。
合板の表面は、光沢がありツルツルしているのが特長です。主に家具や内装材、建築材料と様々な用途で利用されています。たとえば、本棚・カラーボックスなどの家具、和室の天井や壁があります。
では、さっそくプリント合板の塗装前のヤスリ掛けの重要性と密着性の比較をしていきたいと思います。
1.ヤスリ掛けが必要と分かる!塗料の密着性の比較
ヤスリ掛けをしたプリント合板とヤスリ掛けをしていないプリント合板の絵柄が違う2枚を用意し、『塗料を塗ったときの塗料のハジかれ方』と『マスキングテープを使用した塗膜のハガレ方』の密着性に関する比較を行いました。
1)下塗り(シーラー)を塗装したときのハジかれ方を比較
ヤスリ掛けをしたプリント合板:
ヤスリ掛けをしたプリント合板は、特有のツルツルした表面をサンドペーパーで荒らすことにより密着性が向上したため、下塗り塗料(シーラー)がハジかれずに塗装することができました。また時間が経過してもハジかれることがありませんでした。
ヤスリ掛けをしていないプリント合板:
ヤスリ掛けをしていないプリント合板は、表面がツルツルしていて密着性が良くないため、下塗り塗料(シーラー)を塗った直後にハジかれていきました。また時間の経過とともに広がり続け乾燥した時には、まだら模様のようになってしまいました。
2)マスキングテープを使用して塗膜のハガレ方を比較
次に、先ほど下塗り塗料(シーラー)を塗ったプリント合板の上から上塗り塗料(ブルー系の室内塗料)を塗装してよく乾燥させた後、マスキングテープを貼りゆっくり剥がしたときに塗膜が付着してしまうか比較をしました。
ヤスリ掛けをしたプリント合板:
下塗り塗料(シーラー)が、プリント合板としっかり密着しているのでマスキングテープを剥がしても下塗りから塗膜が剥がれることはありませんでした。また、下塗り塗料(シーラー)は上塗り塗料との密着性を向上させる塗料ですので、上塗り塗料だけ剥がれることもありませんでした。
ヤスリ掛けをしていないプリント合板:
マスキングテープを剥がすと上塗り塗料がテープに付着して塗膜が剥がれてしまいました。下塗り塗料(シーラー)もハジかれたままの状態で剥がれてしまっているのが分かります。このことから下塗り塗料と上塗り塗料の密着性はよいが、プリント合板と下塗り塗料の密着性は良くないため下塗り塗料(シーラー)から剥がれてしまったことが分かりました。
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2.比較から分かった塗料けれどハジかれたり・ハガレたりする原因は?
2つの比較にてヤスリ掛けをしてしていないプリント合板は、塗料がハジかれたり・ハガレてしまうことがわかりました。原因は、プリント合板の表面がツルツルとしているため塗料がうまく密着しないことです。
対処として、必ずサンドペーパーでヤスリ掛けをすることです。ツルツルの表面を目荒らししてプリント合板と塗料との密着性を向上させてから塗装をしましょう。
3.プリント合板の塗装方法
ヤスリ掛けの重要性が分かったところで最後にプリント合板の塗装をするときの手順をご紹介します。
プリント合板が使われた家具や内装材に塗装しなければならない!したい!というときは、こちらの塗装方法を参考にしてみてください。
米塗装方法では、プリント合板の一枚板で方法をお伝えしています。
1)下地のクリーニング
プリント合板の表面についたホコリや汚れをキレイな布でしっかりと拭きとりましょう。油汚れや汚れが酷い場合は、水で薄めた中性洗剤に浸したら雑巾を固く絞って拭き取り掃除しましょう。
2)下地の研磨
サンドペーパーでツルツルした表面が無くなるくらいヤスリ掛けをしましょう。
ヤスリ掛けをした後は、削りカスが付着していますのでキレイな布で拭きとりましょう。
3)下塗り塗料(シーラー)を塗装する
上塗り塗料との密着性を向上させるために、プリント合板に適した下塗り塗料(シーラー)を塗布します。下塗り材は、様々な素材にマルチに対応している『EF水性マルチシーラー』がおすすめです。
また、ミッチャクロンなどの密着剤を下塗りする方法もありますが、溶剤系の塗料ですので室内での使用では注意が必要です。また、密着剤でもサンドペーパー等のヤスリ掛けが必須となります。
■下塗り塗料(シーラー)について詳しく知りたい方はこちらもチェック!
4)上塗り塗料を塗装して乾燥させて完成!
下塗り塗料(シーラー)を乾かしたあとは、お好みの上塗り塗料を塗装して、乾燥させれば完成です。
(※塗装回数は、商品によって変わりますのでカタログ等で確認してください。)
4.さいごに
プリント合板の塗装は、ヤスリ掛けを行うことでプリント合板の表面を整え、塗料との密着性を向上させることが重要です。お伝えしました手順を守りながら塗装することで、塗料のハガレやハジキにくい仕上がりが期待できます。
ぜひお家にあるプリント合板が使われている家具や内装を塗装するときには参考にしてみてください。
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